
ワークショップ参加者の方にお約束できること
2025年04月25日 11:58
実は私はホームヘルパー2級の資格を持っています。10年以上前、ぽっかりまとまった時間ができた時、講座を受講しました。その時学んだことを、ワークショップ初日に、必ず参加者の皆さんにお話ししています。「バイスティックの7原則」というもので、アメリカの社会福祉学者バイスティック氏が提唱した、介護現場における介護者の守るべき態度の原則を表したものです。
「バイスティックの7原則」
①個別化の原則
②意図的な感情表現の原則
③統制された情緒関与の原則
④受容の原則
⑤非審判的態度の原則
⑥自己決定の原則
⑦秘密保持の原則
小難しいですが、これを「介護を受ける人はこんな不安を持っている」という言葉に翻訳すると、
①私を、他の人と同じではない、一人の人間として見てくれるだろうか
②思っていること、感じていることを自由に言わせてもらえるだろうか
③必要以上に感情移入されたりしないだろうか
④否定せずに、あるがままの私を受け入れてくれるだろうか
⑤それは間違ってる、これが正しいなどと善悪の判断を押し付けられたりしないだろうか
⑥やりたくないことを強制されたりしないだろうか
⑦秘密を漏らされないだろうか
ちょっと乱暴な意訳ですが、こんな感じになります。
驚かれた方がいらっしゃるんじゃないでしょうか?
ワークショップを受けようかなと思う方が、不安に思うことと完全に一致してると思うのです。またこれは、私が初めてお仕事するプロデューサーや、俳優さん、スタッフに感じる不安、そのままです。ワークショップでは、私はもちろんですが、参加者の皆様もお互いにこの原則を意識しようとお話ししています。皆が機嫌良く、有機的に動ける稽古場を成立させるには、お互いに敬意を持って、互いの責任を果たすことが大切だと思っています。これが、私のハラスメントに関する基本の考え方でもあります。
そして、私が参加者の皆様にお約束できることは「敬意を持って、誠実に、真剣に、注意深く演技を拝見します」ということです。